#274 超「超」整理法―読んだもの(14)

| コメント(0)
n110101.jpg
前回のアルフィーの11年ぶりに引き続き、今日は15年ぶりの話。1993年に刊行された「『超』整理法」は当時のベストセラーになり、その後、著者である野口悠紀雄氏は数々の「超」シリーズを刊行することになる。
15年前のオフィスでは、情報は紙で保管するのが中心だった。そこで、「『超』整理法」で提案されたのが「押し出しファイリング」と呼ばれる整理方法。合言葉は「分類するな。ひたすら並べよ」。書類を封筒に入れてひたすら時系列に棚に並べていくというものだった。

ほとんどの人は情報を整理しようとするとき、「分類」という作業をする。本著においても指摘されているように、Windowsのフォルダ構造はまさに「分類」を基礎としている。しかし、「分類」をすると必ず、どちらの区分に入れるかを迷ったり、分類誤りを起こして後で見つからなくなってしまうということが起こる。だったら、分類せずにただ時系列に並べている方が見つかりやすいだろう、というのが15年前の「押し出しファイリング」の発想だった・・・と思う(かなりうろ覚え)。

そして、15年が過ぎ、デジタル・オフィスが完成した。多くの情報が最初からメール等の形で既にデジタル化されている。未だ紙の情報については「押し出しファイリング」が有効であるとしながらも、「『超』整理法」を書き直す時がきた、と著者は認識し「超『超』整理法」が執筆された。

今回の合言葉は「分類するな。検索せよ」。著者イチオシのツールが、GoogleのGmailだ。このGmailにすべての情報を保管して、必要な時に検索する、というのが最もザックリとした説明になる。ただし、そのためには後から検索しやすいように少し工夫しなければならないし、一緒に仕事をする人たちにも最低限のルールを守ってもらう必要がある。(それが何かを詳しく知りたい方は「第Ⅰ部第1章 Gメール革命」を読んでいただきたい)

と、ここまでで終われば、この本も60ページ位で済むし、内容的にも既に多くの人が実践していることかもしれない。では、こういう時代に求められる能力とは何か、そして、どのように知的作業を行っていけばよいのか、ということに残りのほとんどのページが割かれている。

中でも発想の転換だなと思ったのは「検索は教育の方法に変革を迫る」の項(p.220)。ウェブの情報をコピペしただけのレポートを問題視する意見を聞いたことがあるかもしれない。しかし、これに対して著者は反論する。「『図書室にある参考書を使うならよくて、ウェブの情報を使うのはダメ』とは、おかしな話だ。(中略)問題は、コピペできてしまう問題を出した教師の側にこそある。」

要するに、知っているか否かを問うこと自体が古い発想であるということだ。会計の世界でも同じことが起きている。10年前のように会計基準や監査基準が1冊の本に収まる時代ではなくなってしまった。全てを知っている、というのは不可能だ。その代わり、キーワードさえ入力すれば、関連する文献が誰でも入手できるデータベースが整備された。大事なことは、会計基準を知っていることではない。たとえば、それをどのように現実の会計事象に適用するかということだ。

さらに進めて、これからの会計士はどのようにあるべきか。それは「第Ⅱ部第5章5 新しい時代が求める専門家はどのような人か?」に答えがあるかもしれない。

いや、ないかな・・・

お勧め度:★★★☆☆(3/5)



【読んだものシリーズ】
2008/04/29 「夢をかなえるゾウ」 水野敬也著
2006/05/30 「ライブドア監査人の告白」 田中慎一著
2006/04/29 「沖で待つ」 絲山秋子著
2006/04/29 「バカの壁」 養老孟司著
2006/04/29 「超バカの壁」 養老孟司著
2006/04/29 「組織内一人親方のすすめ」 関島康雄著
2006/04/29 「病気にならない生き方」 新谷弘実著
2006/04/29 「陰日向に咲く」 劇団ひとり著
2006/03/04 「国家の品格」 藤原正彦著
2006/01/26 「ソニーとSONY」 日本経済新聞社編
2006/01/04 「下流社会 新たな階層集団の出現」 三浦 展著
2005/12/31 「最新版 投資戦略の発想法」 木村 剛著
2005/12/17 「弁護士の仕事術・整理術」 矢部正秋著
2005/12/11 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー著
2005/08/22 「星宿海への道」 宮本 輝著
2005/07/30 「土の中の子供」 中村文則 著
2005/07/29 「決断力」 羽生義治 著
2005/05/27 「証券化とSPE連結の会計処理第2版」 荻 茂生 編著



← この本を買いたいときはこちらでどうぞ

アマゾン (amazon.co.jp) でのお買い物の良いところ
◆「お急ぎ便」(1回350円)を指定すると、関東であればほぼ当日または翌日に届く。◆Amazonプライムで、年会費3,900円を払うと、「お急ぎ便」が使い放題になる。◆これらは本だけじゃなくて、CDとかにも使える。


コメントする