読んだもの(10)―「国家の品格」
[2006/3/4]

国家の品格
藤原正彦著
「国家の品格」
新潮新書

昨年11月に発行され既に70万部を突破している「国家の品格」。今更と思いながらも、Ysk会計士に薦められたので読んでみることにした。

簡単で読みやすい文章なのだが、第一章「近代的合理精神の限界」から主張されているのは、現代の日本人が無条件に正しいと思っている「合理性」だとか「論理」だけに頼ることへの警告だ。数学者である著者が「『論理を徹底すれば問題が解決出来る』という考え方は誤り」(p.34)と言っているのだから、面白い本なのだ。

近代合理精神は、欧米に始まり、ここ4世紀くらいの間、世界を支配しているのだが、それが最近破綻しているというのだ。先進国はすべて荒廃しているというが、確かに、最近、日本で起こっている事件などは簡単に解決できそうなものでないし、景気は良くなっているはずなのに何となく世の中に閉塞感や虚脱感が漂っているのは、そのせいなのかもしれない。だからこの本がベストセラーになっているのだろうか。

とにかく読みやすい本で、おそらく2〜3時間あれば読めてしまうので、詳しい内容はこの辺で終わりにする。あとは、僕が気になったところを。

▼日本人の英語下手の理由(p.144)
当たり前の話かもしれないが、一つ目の理由は「英語と日本語があまりに異なること」。そして、二つ目の理由は「日本に住む日本人は、日常生活で英語をなんら必要としないからです。母国語だけで済むというのは植民地にならなかったことの証で、むしろ名誉なことです。TOEFLのテストで日本がアジアでビリ、というのは先人の努力に感謝すべき、誇るべきことなのです。」とのこと。
物は考えようだが、この本を読んでいると「別に英語が出来なくたってたいしたことない」と思うようになる。それよりも大事なものを身につけなくてはならないのだ。

とにかく、僕は日々の仕事の中でアメリカ人には相当やられていると思っているので、この本に書かれている大部分のことに共感した。この本がベストセラーになることで、少しでも流れが変わると良いのだが。


お勧め度:★★★★☆(4/5)


▼▲▼ 書評シリーズ ▼▲▼
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2006/01/04 「下流社会 新たな階層集団の出現」 三浦 展著
2005/12/31 「最新版 投資戦略の発想法」 木村 剛著
2005/12/17 「弁護士の仕事術・整理術」 矢部正秋著
2005/12/11 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー著
2005/08/22 「星宿海への道」 宮本 輝著
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2005/07/29 「決断力」 羽生義治 著
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