3〜4月の間にも何冊か本は読んでいたのだが、時間がなくて紹介できなかったので、ここでまとめて書いてみる。
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絲山秋子著
「沖で待つ」
文芸春秋
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去年の芥川賞受賞作の「土の中の子供」に引き続き、また芥川賞受賞作を読んでみたくなった。「勤労感謝の日」と「沖で待つ」という2つの短編小説が収められている。帯にも「すべての働くひとに―」と書いてあるように、両方とも仕事とか職場がテーマになっている。
「沖で待つ」の方は、「私」が同期入社の太っちゃんと、どちらかが先に死んだら、生きてる方が死んだ方のハードディスクドライブ(HDD)のデータを削除するという変な約束をする話だ。と書くと話の内容を誤解されそうだが、HDDに入っている秘密を誰にも知られずに消したいということなのだ。
確かに、僕も、もし自分が死んだ後にHDDが色んな人に見られたら嫌だなぁと思いながら読んだりした。
お勧め度:★★☆☆☆(2/5)
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養老孟司著
「バカの壁」
新潮新書
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2003年4月に出版され大ヒットした本書だが、まだ読んでいなかったので今更ながら読んでみた。なぜ今更?と思われるかもしれないが、単に下で紹介している「超バカの壁」を読んでみたくなり、「超」を読むのに前作の「バカの壁」を読まないわけにはいかないと思っただけなのだ。
いろいろためになることが書いてあったと思うが、もう1ヶ月くらい経ってしまったので、大半を忘れた。その中でも、定冠詞・不定冠詞の区別がないと思われていた日本語にも実はその機能を果たしている言葉がある、という話は面白かったのでよく覚えている。
「昔々、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは、山へ芝刈りに……」の「おじいさんとおばあさんが」の「が」と次の「おじいさんは」の「は」の助詞の違い、これが定冠詞・不定冠詞の機能を持っているというのだ。
この話は、別に日本語にもそういう機能を持つ言葉があるということを説明したいのではなく、もう少し大きな流れの中で使われている例に過ぎないので、詳しい内容は読んでいただきたい。
お勧め度:★★★☆☆(3/5)
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養老孟司著
「超バカの壁」
新潮新書
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今年発行された「バカの壁」の続編。若者の問題、自分の問題、テロの問題、男女の問題、反日の問題などのそれぞれについて養老氏の考えが述べられている。「バカの壁」よりは分かりやすい。この本で印象に残っているのは、仕事について書いてある次の部分。
仕事というのは、社会に空いた穴です。道に穴が空いていた。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。ともかく目の前の穴を埋める。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんて、ふざけたことを考えるんじゃない、と言いたくなります。
著者は長年、仕事で死体の解剖をしていたそうだ。確かに、生まれつき解剖向きの人間なんていない。僕も、仕事が嫌になったときは、こんな風に考えれば少し耐えられるかなと思ったりした。それにしても、僕が埋めている穴はいつになったら塞がるのだろう・・・
お勧め度:★★★★☆(4/5)
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関島康雄著
「組織内一人親方のすすめ」
日本経団連出版
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著者の略歴を見て、何となく読んでみようと思った本。組織内で自分自身が経営者でもあり従業員でもあるような自立した専門家(⇒「一人親方」)になることをすすめる本である。以下の著者の略歴からも分かるように、著者自身が大組織の中で実践してきたノウハウや考え方が述べられている。
1966年一橋大学経済学部卒業後、日立製作所入社。日立アメリカ勤務、小田原工場総務部長、国際調達部長、日立PC社(アメリカ)社長などを経て、99年鞄立総合経営研究所所長、2001年より社長。
著者が工場で職務給の格付けという仕事のむずかしさの判定をする業務を担当していたときの、上司である労務係主任が著者の報告内容が不満で「調査が不十分」とだけ言って再調査を命じるエピソードがある(p.103〜)。この上司は優れたコーチであり、後に著者は調査が欠けていた部分に気付くことになる。
監査法人には、このようにコーチの上手な上司は少ない。と同時に自分も少ないけれどもアドバイスをする後輩がいるので、今までのやり方で良いのだろうかと考えさせられた。
お勧め度:★★★☆☆(3/5)
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新谷弘実著
「病気にならない生き方」
サンマーク出版
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この仕事をしていると、ストレスが溜まることが多い。これはきっと早死するのではないか?と考えることがあるのだが、そんな時にこのタイトルの本を見たら、手に取らないわけにはいかなかった。
この本については4月23日にも少し触れたのだが、牛乳やヨーグルトは体に良いという常識だと思っていたことをひっくり返してくれたり、寝る4時間前からは何も食べてはいけないというような当たり前のことを再度注意してくれたりする。
それを、40年間死亡診断書を書いたことがない著者が、分かりやすい理由とともに説明してくれているので説得力が違う。
もちろん、かなりの部分が仮説なので、例えば乳製品が体に悪いという説に反論があるというのは知っている。しかし、70歳の著者は19歳以降病気になったことはないというのだから、耳を傾ける価値はあるだろう。それに「国家の品格」でも述べられていたように、合理性には限界があるのだから、それをきちんと立証することは非常に困難だろう。
ということで、どう対処するかは読者次第の本書である。
お勧め度:★★★★★(5/5)
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劇団ひとり著
「陰日向に咲く」
幻冬舎
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最後はピン芸人、劇団ひとりの処女小説「陰日向に咲く」。5つの連作小説が収められているのだが、非常に出来がいいので、彼にこのような才能があったとはと、ちょっと驚く。
最初から最後まで飽きさせない展開だし、現代社会の問題を照らしているような気もするし、ちょっと暖かい気持ちにさせてくれたりする。さすがだ。
内容を書いてしまうとつまらなくなるので詳しくは触れないが、1,400円の価値はしっかりあると思うので、是非。
お勧め度:★★★★★(5/5)
最近、点が甘いだろうか?5点満点はこれで3つ目(全16冊中)。
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